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「ザ・ラスト・シップ」感想(前半)

昨日記したように、今日と明日に分けて「ザ・ラスト・シップ」の各曲の感想を記そうと思う(海外の通常盤にあたる12曲目までの感想です)。


1曲目の「ザ・ラスト・シップ」は、アルバム(ミュージカル)のタイトルにもなっている曲。つまりはメイン・テーマということだ。
この作品の基盤になっているとも云える「ソウル・ケージ」の1曲目「アイランド・オブ・ソウル」を彷彿とさせる民謡風のメロディーだ。自分は、スティングとノーザンブリアン・パイプの組み合わせは大好きなので、この曲もすんなりと入ってきた。「ラビリンス」で得たクラシカルな歌唱法と、「ウィンターズ・ナイト」と「シンフォニシティ」でやっていたことがうまく融合されていると思う。
ちょっと思ったのは、この曲はミュージカルでも歌付きで演奏されるだろうか、ということ。アルバムではプロローグ的な存在だが、ミュージカルだったら、もしかしたらインストで序曲、前奏曲的なものとして演奏される可能性もあるなと感じた。

2曲目の「デッド・マンズ・ブーツ」、これがとても良い。ポップな曲がないという感想を読んだが、それは軽快でノリのいい曲がないという意味なんだろうか?この曲はポップではないのだろうか?この曲が暗いとでも?
父と子の葛藤がテーマの曲。入りは静かだが、その後の展開がいい。特に、終盤のパワフルな歌声がたまらない!個人的には、ビートルズのナンバーに似ているかなと感じた。終わり方がシブくて良い!

3曲目の「アンド・イエット」がクールでかっこ良い!渋いファンク・ナンバーだ。
(ハデではないが、十分にノリは良いと思うけど・・・)
スティングの歌声が、脂がのっていると云うか、成熟していると云うか・・・本当に上手い人だと感じさせられる。ノリという点では、今作ではこの曲が最高!
ストーリー的には、「デッド・マンズ・ブーツ」で父と対立して家を出た主人公が、長いこと離れていた故郷に戻ってきた・・・といったところだろうか?

4曲目の「オーガスト・ウィンズ」は、たまらなく美しい。こういった作風は、確かに以前のオリジナル・アルバムにはなかった。ジョン・ダウランドや、「ウィンターズ・ナイト」で取り上げた曲を、スティングなりに昇華して完成したような歌曲だ。
故郷に戻ってきた主人公の、一時のやすらぎといったところか・・・。

5曲目の「ランゲージ・オブ・バーズ」は、前半のクライマックス。
(このアルバムを地味だと感じている人は、全然そんな風には感じないだろうけど)
曲を聴けば一目(聴)瞭然、「ソウル・ケージ」の流れにある曲だ。ただし、「ソウル・ケージ」のようなロック・ナンバーではなく、民族的なリズムで作られている。スティングは、ロック・オペラやロック・ミュージカルを作りたい訳ではないだろうから、これでいいと思う。個人的には、パット・メセニーを思い出したりもした(特に終盤)。「アイ・バーン・フォー・ユー」にも通じるところがあるかな?締めのギターのストロークがたまらない!
誰かが、主人公に寓話めいた調子で亡くなった父親の話をしている。そして、その内容は「アイランド・オブ・ソウル」や「ソウル・ケージ」が基になっている。

次の曲でシブいピアノによるイントロが流れることからも、ここで場面が変わっていることが分かる。6曲目の「プラクティカル・アレンジメント」は、とってもジャジーで、美しいラブソング。個人的には、管楽器が入ってからのサウンドがとても素晴らしく、気に入った。
上記したようにラブソング。主人公が、ある女性に切々と自分の思いを伝えている。メロディーもそうだけど、なんとも切ないね。


7曲目以降の感想は、また明日にでも・・・














by adacha | 2013-11-23 21:39 | 音楽(ノンジャンル) | Comments(0)

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