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「ザ・ラスト・シップ」感想(後半)

昨日に引き続き、「ザ・ラスト・シップ」の各曲の感想を。
(今日は7曲目以降。あくまでオリジナルの12曲目までの感想)


6曲目のラブソングの後、7曲目からまた場面が変わっている。ここから数曲は、多分パブに集まった労働者たちの話(歌)なんじゃないだろうか?ここからは、確かにミュージカル的な雰囲気が強くなる。
7曲目の「闘士のワルツ」は、喧嘩自慢の男が恋をして、彼女のハートを掴むためにダンスを習ったという、なんとも可愛らしい歌。曲調は落ち着いているけど、パブで大勢の男達の前で歌う曲なんじゃないかと思う。途中に「お前のお母さんが目的だった」という歌詞があるが、ということは、主人公の母親の愛人の歌なのだろうか?
曲調は、いかにもといったミュージカル風の曲。きっと、スティングのこういう歌を好きになれないファンもいるんだろうな・・・。

8曲目の「バラード・オブ・ザ・グレイト・イースターン」は、かなり民謡色の強い曲だ。イギリスの偉人として有名なエンジニアのイザムバード・ブルネルの話を、ある種伝説のような語り口で歌い上げる。つまりは、そういう伝説が元になった民謡といった設定なのかな?
(それにしても、関係者が聴いたら怒らないのかな?)
「偉い人間だからなんだよ!」とでも云いた気に、皮肉まじりに歌う。きっと間奏に入るフィドルに乗って、酔っぱらった男達がおどけて踊っているのだろう。

9曲目の「ホワット・ハヴ・ウィ・ガット?」・・・これが最高の雰囲気だ!
ドミニク・ミラーのギターに乗って歌い上げられる冒頭がとっても良い。カウントが入って、このままノリのいいロックになるのかと思いきや、それを期待していた聴き手を裏切って、再びケルティックなサウンドが流れる。これはもう、明らかにパブで男達がどんちゃん騒ぎをしている曲だ。

10曲目の「アイ・ラヴ・ハー・バット・シー・ラヴズ・サムワン・エルス」は、完全にクルト・ワイル!「バーボン・ストリートの月」に雰囲気がよく似ている。
スティングの母親は不倫をしていて、父親はそれを黙認していたという。不倫をしている母親のことを、父親はずっと愛していたという。この曲は、きっとそういったことを歌っている曲なんだろう・・・。
(そう考えると、なんだかとても切ないな)

11曲目の「ソー・トゥ・スピーク」は、女性ボーカリストのベッキー・アンサンクとのデュエット。確かに、ミュージカルに男女のデュエットは付き物だな。
歌詞カードを見ると、オブライアンとメグという名前が記されている。オブライアンは病床にあって、もう先が長くないようだ。このオブライアンが、主人公だと思うんだけど・・・。
ミュージカル風と云えばそうだが、悪くない。と云うか、自分は結構気に入ってる。
「この船は、航海する準備ができている」つまり、魂の旅立ちということか・・・。

そして、最後の「ザ・ラスト・シップ(リプライズ)」だ。1曲目がプロローグだとしたら、これは明らかにエピローグ。最後の船が航海に出て、物語は幕を閉じる。


ミュージカルは来年公開予定ということだが、このアルバムのツアーは行われるのだろうか?なんとなく、自分はないような気がするのだが・・・。

大きなツアーはないにしても、所々でライブは行うだろう。そして、ミュージカルが公開されて、この「ザ・ラスト・シップ」のプロジェクトが終了するのは、2〜3年後だろうか?その頃、スティングはもう65歳に近い・・・。

願わくは、このアルバムがスティングにとっての「ラスト・シップ」となりませんように・・・

頼むぞ!スティング!!
これからも、あなたの新しい音楽を聴かせてください。








by adacha | 2013-11-24 23:48 | 音楽(ノンジャンル) | Comments(2)

Commented by ダイスケ at 2014-10-19 21:25 x
ラストシップで調べててたどり着きました、失礼します。
感想すばらしいです。。
願わくは、このアルバムがスティングにとっての「ラスト・シップ」となりませんように!全くその通りですね!彼の音楽をずっと聞き続けたいです。
Commented by adacha at 2014-10-19 22:54
ダイスケさん

コメントありがとうございます。

「ラスト・シップ」の感想、拙い文章ではありますが、素直に思ったことを綴ってみました。

スティングが大好きな私としては、これからももっと彼の新しい曲を聴いてみたいと思っています。スティングには、まだまだ元気に活動を続けてほしいです。
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