管楽器のマイクの使い方に関して
一昨日の日記で、レコーディングのことについて記したが、今回改めて管楽器のマイクの使い方について考えさせられた。
先日記した通り、ライブでベースラインを吹く時には、ラフに吹いて柔らかいサウンドをマイクでひろってもらうことが多い(自分は)。
これは、はっきり言って、自分がチューバらしい(金管楽器らしい)サウンドにしたくないから、そういう方法を取っているわけだ。
しかし今回のレコーディングのように、チューバの音を必要とされている時には、やはりその方法ではいけないと改めて感じた。
つまり、金管楽器のチューバとしての音が必要とされているのか、それともチューバによるベースの音が必要とされているのか・・・その場でのニーズに合わせたサウンド作りが求められるということだ。
ライブでベースラインを吹く時にラフに吹くのは、単純にきついからという理由も少しはある。
「ばてる」ということもあるが、それ以上にフレーズの問題の方が大きい。
管楽器だから、絶え間なくベースラインを吹いていると、どうしてもブレスで遅れやすくなってしまう。
遅れないためには、もちろんすばやく吸うのが1番だが、ブレスの回数を減らすという方法もある。
ブレスの回数を減らしてフレーズを長く吹くためには、単純に音量を抑えて、肺にためてある息を温存するしかない。
(自分は循環呼吸は出来ないし・・・)
そのためにラフに吹くわけだ。
逆に言えば、きついから、ばてやすいからマイクを使っているのではないということ。
クラシックの演奏家は、普段マイクを使用するわけではないから、この辺を誤解しやすい。
「マイクがあるから楽に吹いていい」というわけではない。
マイクは、単なる拡声器ではない。
中学、高校生の吹奏楽の演奏会でのポップスステージでも、同じような誤解が生じる場合がある。
楽に吹けば、スピード感が失われる。
スピード感を出すためには、ある程度の音量も必要だ。
それなのに、マイクがあるから楽に吹くというのは本末転倒。
スピード感を出すためには、普通に吹いて、少しマイクをオフ(遠ざける)にするのが1番だ。
わざと楽に吹いて柔らかいサウンドを出したければ、マイクをオン(近づける)にする。
PAは、大体は客席側から、生の音とマイクを通した音との両方を考慮して、音量のバランスをとっている。
まぁ、吹奏楽の演奏会ではホールのマイクとスピーカーを使用することがほとんどだから、こういったバランス作りは難しいが・・・
マイクを使用する機会が多い管楽器奏者は、マイク・テクニック(どう使うか)を身につける必要がある。
自分は、結構サウンドチェックの時にナーバスになる方だ。
自分の求めているサウンドと、PAの人が作るサウンドに差異があるからだ。
「もっとロートーンを上げて、ベースらしくして下さい」
「そうすると、チューバらしくなくなりますよ」
「・・・構いません!」
こういった会話をした経験が何度もある。
しかし、これは自分の中に出したいサウンドがしっかりとあるからなのだ。
管楽器奏者は、自分の音がスピーカーからどんな音で客席に出ているのかに注意すべきだ。
前述したように、「マイクは、単なる拡声器ではない」のだから、ただ使えばいいというものではない。
自分の求めるサウンドがあるのなら、トーンに関してなど、PAの人に要望を伝えるべきだ。
しかし、自分もこういったことに関しては、まだまだあまい。
だからこそ、トラブルもある・・・
もっともっと勉強すべきだなぁ。
by adacha | 2006-11-07 23:19 | 音楽(ノンジャンル) | Comments(0)